下田佳子(土佐清水市) 010

空に花咲かせるように網を投ぐ川漁師いきいき舟をあやつる
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    空に花咲かせるように網を投ぐ

      川漁師いきいき舟をあやつる


    (四万十川短歌大会 応募作品)


■網を投ぐ

 今は主婦として平凡な日々を送っていますが、以前、勤めていた頃、中村市に転勤になりました。その頃は、中村市から、西土佐村の江川崎へ仕事で、行くことが多くありました。あの曲がりくねった狭い国道を、やっとの思いで、車を運転したものです。時には、恐ろしさのため、道路の川側の方へ車を寄せられず、ダンプカーの運転手さんに怒鳴られたこともありました。そんな時の心は、しゅんとなって、落ち込みました。でも、そのうちに心は晴れます。

 そう、四万十川を見ていたら・・・大きく蛇行して流れる四万十川は雄大で、エメラルドグリーンの帯が、どこまでも続きます。すぐそばの、山の緑も、川面に映ります。

 勝間とか、岩間とか、地名は定かではありませんが、そんな蛇行のふくらみの広い所で、一人の川漁師が、木の葉のような小さな舟で網を投げています。真っ青な空に、白い網がまるで夕顔の花が咲くように広がります。漁師の機敏でしなやかな体格と相俟って、それはまさに、一幅の絵のようです。その光景は息をのむ美しさです。そんな光景は、私の脳裏に焼き付いて、いつまでも消えることは、ないでしょう。

 第2のふる里、四万十市、そこを流れる四万十川は、いつの日も、そっとささやいています。「いつまでも、美しい川でいたい」と。

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