大滝貞一(新潟県) 072

風うけて光りおのづから銀綸子(ぎんりんず)の波しぶかせる早瀬ひとところ
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風うけて光りおのづから銀綸子(ぎんりんず)の

         波しぶかせる早瀬ひとところ


■銀綸子

 川幅いっぱいに渡る涼風を受けて、早瀬になっているひとところが、おのずから銀綸子のような波をしぶかせて光っているのが見える。

 綸子は精錬された生糸の紋織り布地。浅瀬のせせらぎを彩色感覚で捉えた、美しい四万十川の風景である。


  四万十川は夕陽に映えて川みづの綾縞なさば火振漁とぞ恋ふ
一瞬の宙花となりし投網を呑みて川面は錫箔にもどる


 この、四万十川の秀歌は、歌集「頚城野」の中の「三角笹綜」章に、「錫箔の川面」と小題された十七首中の巻頭歌である。

 「第一回四万十川短歌大会講師として、平成四年十月、高知県中村市に赴く。日本一の清流を短歌に託して後世に残さんとする企画なり。」と、詞書がつけられている。

  <「四万十川秀歌百選」(大滝貞一編著)より>

【写真】岡村龍昇:写真集「自賛他賛」より


[プロフィール]

・四万十川秀歌百選
・歌碑(四万十川河畔)

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