山田紅衣(愛媛県) 116

口重き漁夫のあやつる四万十の川船の底ゆ夏の音する
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    口重き漁夫のあやつる四万十の

       川船の底ゆ夏の音する

   (四万十川短歌大会大滝貞一選秀作賞)


■夏の音する

 源流の一滴一滴は、原生林の根を洗い、岩や苔に添いアユ、ウナギ、ゴリ、ナマズ、エビ、アオサを育む四万十川となる。川魚漁の遠景、近景は、この川のゆるぎのない四季であり、豪放な風物詩として懐かしい。

 口を閉ざしたままの寡黙な漁師のあやつる川船。船板を突き上げ舳先を洗う「夏の音」を聞く。それはアイヌ語の「シ・マムト」!、キリシタン大名の「一条さん」!へとさかのぼる。

 そう、緑衣に衣更えしたばかりの青年期の四万十川の躍動感そのものだった。


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[プロフィール]

 大正15年生まれ。本名、山田良子。
 潮音社・日本エッセイストクラブ同人。
 潮音新人賞・にぎたづ賞受賞。
 歌集『西行覚書』『か具耶』合同誌『ありあ』編集。
 愛媛県松山市在住。

◆山田紅衣氏の【四万十川百人一首】
http://waka100s.exblog.jp/d2006-09-19

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