平田 雅(高知市) 095

たゆたひて海にゆくとも思ほえず身をかがめ見る春の四万十川
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    たゆたひて海にゆくとも思ほえず

     身をかがめ見る春の四万十川


■なべて春なり・・・

 もう十年あまり前のことである。

 小津高校(高知市)の国語科教員仲間が四万十川へ出掛けた。岸に菜の花の咲く四万十川は、たっぷり水をたたえて流れているようにも見えない。身を低くして見ると、川はいよいよ広く、更に豊な流れとなる。

 古希を迎えた今、出掛けて行っても「天地はなべて春なり四万十川のはるけき川面を雲動きゆく」という気分にひたることが出来るであろうか。

 この歌は私にとって、思い出の四万十川である。

[プルフィール]

 昭和11年生まれ。
 高校教諭。
 「個性」「南国短歌」会員。
 現住所:高知市

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[四万十川秀歌百選・大滝貞一]


  落ち鮎の喉ふさぐまで子を孕み夕餉の皿に口ひらきたり


 秋が深まる頃、鮎が産卵のため川を下る。赤鉄橋の上流の通称小畑辺りが産卵の場所。

 その落ち鮎の喉をふさぐまで胎子の詰まったものが夕餉の皿に載る。「口開きたり」に何か喘ぐ程の切なさを見て、あわれさに胸を衝かれている。

 母性の揺らぎである。(大滝) 

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